わたしたちに明日はない

映画をよく観てます

感想:「僕らのミライへ逆回転(Be kind rewind)」★★★★☆

 
 
    上司に勧められて観ました。はじめ「なんだこの邦題クソダサいな」くらいに思って観たんですけど、観終わったあとは「なんだこの邦題クソダサいし内容とも合致しないじゃないか(怒)」という感想になりました。つまり怒りに震えたわけです。なにこれ?内容にカスリもしない上にクソダサい。もうこれ原題を直訳(「巻き戻して返却してください」という意味らしい。舞台がビデオレンタル屋なので。)しただけでよかったくない?その直訳に抵抗があるならもはやそのままの「BE KIND REWIND」でよくない?登場するビデオレンタル屋の名前なんだしよくない?
 
 
    この邦題でこんな素敵な映画に足を運ぶ、手に取る人間が絶対減ってるよね。わたしもおすすめされなかったら観てないよね。
    あの最近公開されていた映画で、その原題「Wild」を「わたしに会うまでの1600キロ」にしたのは、ダサいけどまあどの層を狙ってやったんだろうなっていう意図が透けて見えるので、ダサいけどまあわかります。でもこれに関しては誰狙い?誰狙ったの?こども?みたいな意味不明さがあるじゃないですか…。
    こどもも楽しく観れはしますけど、これは子供向けに作られた映画ではないのだろうし…などと、上記のように怒りがふつふつと湧き上がった次第ですが、タイトルがあんな感じなせいでハードル下がってたのか、内容は予想以上に良かったです。映画ファンならより楽しめる部分があると思います。
 
 
 ざっくりしたあらすじは、ビデオレンタル屋のオーナーが留守の間店番を任されたマイク(モス・デフ)は、発電所を爆破しようとして体に磁気を帯びてしまった(改めて考えると、どういうこと?ってなるね)幼なじみの親友ジェリー(ジャック・ブラック)によって店にあるビデオテープをすべてダメにされてしまいます。そこに「ゴーストバスターズ」のレンタルしたいという客が現れ、無理やり自分たちで映画を撮って貸し出しをはじめるのですが、これもどういうこと?ってなるんですけどそれが大ウケしてしまって、大繁盛する…というもの。
 
    磁気を帯びてしまうのも、映画のリメイクがアホみたいに高い金額でレンタルされ大人気になるのも、現実的ではありませんが、それがこの映画らしさでもあるといいますか。そのリメイクがとても低予算の創意工夫に満ちていて、その手作り感あふれる場面がすごく魅力的です。
 有名な映画を次々にリメイクしていくので、映画ファンのひとならそれぞれどれがどのシーンでどういう点が笑えるのかわかるだろうので、よりおもしろいのではないのでしょうか。わたしも映画好きだけれど、まだまだだなとおもいました。知っているタイトルはたくさんでてくるけれど、観たことないのばかりで。唯一「2001年宇宙の旅」の部分だけ、この映画も観てはないけれど、有名なシーンと照らし合わせることができました。「キングコング」も観たことないけど、なんとなくわかった。
 
 ふたりが手作りの衣装やセットを使って映画をつくっていくところを観るのはワクワクしてたまりません。わたしも映画とっちゃおっかな?わたしにもこのクオリティならがんばれるんじゃないかな?工夫してモノを作ってひとによろこんでもらっちゃったりしたら最高なんじゃないかな?なんてふうにもおもっちゃうくらい、静かにずっとハッピーな映画です。
 
 あらすじもなにもみず、ただ勧められるがままにみたので、最初ジェリーが磁気を帯びることによりそれを使ったあれやこれやな展開が待ち構えているのかと思いきや、その時期はビデオをすべて破壊しただけで、中盤ですぐに彼の尿とともに排出されてしまいました。ほんとビデオを全滅させたいがための演出、設定だったんですね。ちょっと肩すかしをくらった気分でした。
 
 ふたりがときには喧嘩しながらも映画リメイクを続けるなかですこしずつ仲間も増え、最終的には(いきなりネタバレにはいりますが)みんなで協力して作ったオリジナルの映画をビデオ屋の窓に白い布をかけ映写機で投映して鑑賞。それが店の外にいるひとにも観えるようにはからずしもなってしまい、町のひとびとがみんな集まってその映画を楽しんでいるというラストには、こころがあったまってしまいました。映画を愛するこころとつくるよろこびをこの映画は教えてくれます、
 むちゃな部分や現実的でない部分がでてきても、この映画なら許せる、というジャンルの映画です。ドタバタする派手な映画ばかりみてつかれたときに、ゴテゴテの技術で精緻に作り上げられた画面に慣れきってしまったときに、この映画をみるといいかもしれませんね。
 
 
 
 おわり