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Flower of life

映画をよく観てます

感想:「ロリータ」初スタンリー・キューブリック


Lolita (1962) HD trailer - YouTube

 

 エンジェルAMOの著書「Get Up Girly」にこの映画が紹介されていて、スタンリー・キューブリックをなんやかんや観ていなかったたため今回借りてきました。わたしはキューブリックというのはとても頭がいい意味でイカれていて、ストーリーすらまともにないんじゃないかと勝手に先入観をもってしまっていたんですが、今回の映画のあらすじをみると、あれ?ふつうの(っていうのもなんだけど)映画じゃん。と思ってしまいました。どこでそんなへんてこな先入観がうまれてしまったのか。

 あ!わかった、思い出しました、たぶん「2001年宇宙の旅」を中途半端に見てからそんなことを思うようになったのと、「博士の異常な愛情(副題はたぶん、彼は如何にして心配することをやめ水爆を愛するようになったか、だったかな…忘れた、ぐぐるのもめんどう)」「時計仕掛けのオレンジ」という映画のタイトルたちから勝手に想像してしまっていたんだと思います。

 「2001年宇宙の旅」は、わたしSFはあんまり観ないしすこし苦手意識もあるのですが、(攻撃的に言えば、「なにがおもしろいのかわからない」、です)、興味があったのでみてみようと思って借りてきたことがあるんですね、DVDを。でもその時期映画を見漁ることを生業としているかのように連続で何本も観ているような日があって、たぶんその映画を3本目とかに観たから途中できつくなってねちゃったんですよね。あの映画が途中からどうなるのかはわからないけれど、あれを最初のほうだけみたって意味わからないじゃないですか。覚えてるのは猿ですよ。この猿のシーンは大学の授業でそこだけみせられていたので、実際その冒頭だけ2回みたことになるんですけど、そうなってくるとやっぱり意味わからない上にそこだけは視聴済みなので眠くなるんですよね。それで彼は意味の分からないシーンをとる監督だってイメージになっているんだと思います。もちろん猿のシーンがなんらかを暗示しているという解説などは聞いたので全く意味のないシーンではない、ただわたしがよくわかってないだけ、というのはわかっています。

 

 今回の「ロリータ」というのは主人公の男が下宿先を探しに来た際、そこの娘を気に入ってしまうところからはじまります。下宿を営む女シャーロットがあまりにもすごいふるまいをするので、男は大学の教授ということもあり常識人のように最初思っていたんですけど、全然違っていたというか、少女に魅了され狂っていったというか、今回の映画はその男の偏愛ぶりを描いたものでした。

 ロリータに一目ぼれして(?)、下宿先を決めるのはまあいいでしょう。年齢差がとんでもないですが、恋愛に年齢差は関係ないとすると、ふつうのひとだってそうする人はいるでしょう。でもその次のステップですよ、彼女と一緒にいたいあまり彼女の母親と結婚しちゃうんですよ?もういみわかんないですよね。というかその前に三人で映画をみにいくシーン、このとき映画で怖いシーンが流れ、男の両脇に座るロリータとその母親シャーロットが同時に男の手に手をのばすんですよね。男は当然シャーロットの手からすりぬけロリータの手に手を重ねることになり、ロリータもその上からもう片方の手をそえるシーンがあるんですが、この時点でロリータは男をあおっていたのでしょうか?

 とにかくその二人の関係がどこからはじまったのかわかんないんですけど、シャーロットが不慮の事故でなくなり、残されたふたりで旅行をはじめてからはもう完全に関係ができてしまってますよね。いっさいそんなあからさまなシーンがでてこないので、最初はふたりの関係をよくわかってなかったんですが、誰にもこの関係を言うな、言わないわよ、みたいなシーンが何度も出てくるので完全にそうだとわかります。

 その旅をしたり二人で一定の土地に留まったりするなかで、男がどんどん頭おかしくなっていくんですよ。最初は抑え込めることができていたものがあふれてあふれてしょうがなくなっていく様。男としゃべっただけで、帰りがちょっと遅くなっただけ、なにをしていたのか執拗に問い詰める。しかも答えが返ってきても絶対に信じない。まあ確かに信じれそうにない回答だったり態度だったりするときもあるんですけれど、その疑い方が異常なんですよね。もう病気やん、みたいな。

 

 ネタバレに入りますけれど、結局ロリータははじめから男のことなんか愛していなかったし、むしろ違う男に惚れてしまっていた、という。男の勘繰りは間違ってはいなかったんですよね、まあそのロリータの嘘がすべてその惚れた男につながっているとは限らないんですけど。

 

 総括すると、ただただ男がくるっていく映画でした。もとから狂っていたのか狂わされたのかわかりませんが、その狂った姿をずっとみながらとくに大きな山場もなく、いきなりロリータが姿をけし、真相がドーンとわかって終わりです。

 ほんとうにロリータはかわいいだけの、それ以外とくに突出した何かがあるわけでもないそこらへんにいる女の子でした。ロリータだったから狂ったのではなく、ロリータでなく違う女の子だったとしても、彼は同様にくるっていったと思います。それこそいまのロリコンですね。ロリータコンプレックスの起源が小説のロリータからきていることは今回はじめてしりました。

 

 中盤は正直退屈でした。追っ手の男が何者なのかとか、そういったスリルは楽しかったんですが、ロリータもかわいいけど思っていたよりロリータ的な魅力はなくて。まあ名作は個人的におもしろくなかったとしても通過儀礼のようなものなので、これからもこなしていきたいですね。ロリコンの起源的作品に触れることもできて満足です。

 

 

おわり