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感想:「ダージリン急行」インドが舞台のロードムービー

 


ダージリン急行 - YouTube

 

 今までAmazonの商品を張り付けていたけれど、べつにクリックするひともいないだろうしわたしの収入になるわけでもないので、これからはyoutubeの予告を張り付けますね。

 

 今作でウェス・アンダーソン監督の映画を観るのは2本目でした。お父さんの死をきっかけに疎遠になっていた三人兄弟が、長男フランシスの呼びかけにより集まりインド旅行を通して絆を取り戻す物語。この三兄弟が実に個性的で、森見登美彦の「有頂天家族」を思い出しました。

 今回も監督の撮影方法は揺るがず、その画面構成とこだわりぬいた色使いにほれぼれします。前回観た「グランド・ブダペスト・ホテル」はヨーロピアンな雰囲気がとってもキュートで、今回舞台がインドであることについて若干扱いきれているのだろうかと失礼千万な思いもありながら今回みていたんですけれど、杞憂である上にとんでもない思い違いでした。インドのエスニックな雰囲気をとても色鮮やかに映しこんでいて、インドについて何も知らずにこの映画を観て憧れてインドへ訪れるとそのギャップに若干がっくりしそうではありますが、すっごく今回もセンスがきらめく、いい映像でした。

 

 そして今回すごく印象的だったのはスローモーションのシーン。監督はよくスローモーションを取り入れるようで、わたしはまだ監督の作品を3本(ムーンライズ・キングダムを含め)しかみていないのですけれど、今作のスローモーションはどのシーンもすっごく好き!でした。電車に乗り遅れそうになりながら走る場面、あと男の子のお葬式の場面。そしてラスト。どれも印象的で、これだけでひとにおすすめする映画たりえました。葬式のシーンなんかとくに、言葉にできないです。べつに悲しみとかが満ちているわけではなくて、むしろ結婚式かのような印象すら受けかねないほどにみんな白い服をきているのですが、そのなかを三人がスローであるいていくところ、大好きです。

 インドのロードムービーだけどそこまで移動している感覚は感じられませんでした。でも旅行をしているという雰囲気だけはそこらじゅうに充満していて、わたしもこんな旅がしたいと夢想に耽るほどです。マークジェイコブスがデザインしたというオレンジの旅行鞄も最高にかわいい。それを男三人が持ち歩いているというのがもっといい。ていうかエイドリアン・ブロディが超絶かっこいい。長男のフランシス役のひともかっこいいんだけど、劇中では始終包帯を顔中にまいているので、全然わからない。

 

 ダージリン急行というのは彼らが旅に使う電車の名前で、その車内はとても色鮮やか。乗務員がもってくる飲み物をのせたお盆の上に、花びらがちりばめられているのは、監督のセンスなのかほんとうにそういうものなのか。この監督に関しては総じてこの感想がでてくるんだけど、「わたしも○○で○○したい!」となるのよね。わたしもこの花びらのお盆を運ぶ側か運んでもらう側になりたい。

 

 

 ここからネタバレ入ります。ストーリーはそこまで展開することなくのんびりすすみ、喧嘩して仲直りして喧嘩して仲直りして。彼らの関係をつねに楽しんでみていました。後半になってもまだ喧嘩するんだけど、喧嘩しながらもお互いの距離は着実に縮まっているのが見て取れました。

 ラストのお母さんに会いに行くところは、正直そこまでわたしのなかに特別響くものではなかったんですけれど、お母さんに会うことではじめて長男はお母さん似だったんだとわかるという、ただその一点のみで、お母さんが出てきた価値がわたしにはありました。この血のつながりがすごいすきなんです。だからわたしは家族ものには弱いのです。

 

 この映画、「グランド・ブダペスト・ホテル」並みに好きになりました。ラストの三人が荷物を放り出して電車に飛び乗るスローモーションのシーンが、こころにのこる、わたしもそんな人生を送ろうと決意できる、そんな映画でした。劇場で見たかったというのが心残り。絶対またDVDを借りて近いうちに観ようと思います。

 

 

おわり。